先日、私はプレミアムバンダイを完全に退会した。
アカウントを削除した。
もう、プレミアムバンダイで商品を予約することも、購入することもない。
これは一見すると、ただの通販サイトの退会に過ぎない。
しかし、私にとっては、それ以上の意味を持っている。
プレミアムバンダイは、かつての私にとって「欲しい物を手に入れる場所」だった。
限定商品。
受注生産。
期間限定の予約。
一般販売では手に入りにくい商品。
そういったものが次々と登場する。
昔の私にとって、これほど物欲を刺激される場所はなかった。
新商品が発表される。
欲しくなる。
予約する。
また次の商品が発表される。
そして、また欲しくなる。
この繰り返しだった。
もちろん、その時は本当に欲しかった。
だから、当時の自分を単純に否定するつもりはない。
予約開始を楽しみに待った。
商品が届く日を楽しみにした。
実際に手元へ届いた時は嬉しかった。
欲しかった物を手に入れるという、趣味としての楽しさも確かにあった。
しかし、長い間利用する中で、少しずつ自分の考え方が変わっていった。
「これは本当に必要なのか?」
以前なら、そこまで考えなかった。
好きな作品の商品なら欲しい。
限定なら欲しい。
予約できるなら予約する。
それで十分だった。
しかし今は違う。
好きな作品でも、全ての商品が欲しいわけではない。
限定品だからといって、必ずしも自分にとって価値があるわけではない。
そして何より、
「今買わなければ二度と手に入らないかもしれない」
という理由だけで、自分の心を動かされる必要はないと思うようになった。
そこから、少しずつ予約していた商品を見直していった。
本当に欲しいのか。
手に入れた後、ずっと大切にするのか。
置き場所はあるのか。
今の自分に必要なのか。
そうやって一つ一つ考えていくと、以前なら絶対にキャンセルしなかったような商品でも、手放せるようになった。
そして気が付けば、プレミアムバンダイで購入する予定そのものが、ほとんどなくなっていた。
そこで私は思った。
「もう、プレバンを利用する必要がないのではないか。」
そして、退会した。
これは「プレバンが嫌いになった」という話ではない。
プレミアムバンダイに問題があるという話でもない。
私自身が変わったのである。
かつての私は、欲しい商品を逃さないことに必死だった。
限定商品なら、とりあえず確保する。
後悔するくらいなら買っておく。
そんな考え方だった。
しかし今は、
「買わなかったら後悔するかもしれない」
という気持ちより、
「本当に必要なのか?」
という問いを優先するようになった。
この変化は大きい。
なぜなら、物欲というものは「買いたい」という感情だけから生まれるものではないからだ。
新商品を知る。
限定情報を見る。
予約開始を知る。
商品画像を見る。
そして欲しくなる。
また新しい商品が発表される。
その繰り返しによって、物欲は何度でも刺激される。
昔の私は、そのサイクルの中にいた。
プレバンを見れば、欲しい物が見つかる。
欲しい物が見つかれば、予約する。
予約すれば、また次の商品を待つ。
それが当たり前になっていた。
だから今回の退会は、単に一つの通販サイトを利用しなくなったというだけではない。
「欲しい物を探し続ける生活」そのものから、一歩離れたということなのだ。
もちろん、今でも好きな作品はある。
今でも欲しい物が完全になくなったわけではない。
それでも、以前のように「何か欲しい物はないか」と探し続けることはなくなった。
本当に必要だと思う物があれば、その時に考えればいい。
限定だからという理由だけで買う必要はない。
予約できるからという理由だけで確保する必要もない。
そして、買わなかったことで何かを失ったとしても、それで人生が困るわけではない。
昔の私は、欲しい物を逃さないために生きていた。
今の私は、欲しい物を逃しても、自分の人生には何も問題がないと思える。
これは、物欲が完全になくなったというより、
物欲に人生の主導権を渡さなくなった
ということなのだと思う。
プレバンを退会したことで、私は一つの区切りをつけた。
これまでたくさんの商品を購入してきた。
予約もした。
限定品も追いかけた。
それらは、当時の私にとって確かに必要だった。
だから、その過去まで否定するつもりはない。
ただ、今の私はもう違う。
過去の自分が欲しかった物を、未来の自分まで持ち続ける必要はない。
今の自分に必要な物を、今の自分が選べばいい。
そして、いつかその気持ちが変わったなら、その時は手放せばいい。
プレバンの退会は、その考え方を自分自身に対して実行した、非常に分かりやすい出来事だった。
かつての私は、欲しい物を全て手に入れようとしていた。
今は、全てを手に入れる必要などないと思っている。
本当に必要なものだけでいい。
好きなものも、必要な数だけでいい。
そして、それすらも永遠に所有する必要はない。
物に人生を合わせるのではなく、
自分の人生に必要な物だけを選ぶ。
それが、今の私の「空所者」としての生き方である。
コメント