私は以前、好きな作品の関連商品を手に入れるためなら、時間も手間も惜しまなかった。
欲しい物を探す。
予約をする。
発売を待つ。
簡単には手に入らない物ほど、手に入れた時の喜びは大きかった。
そして、その喜びは本物だった。
決して、その時の気持ちを否定するつもりはない。
あの瞬間、私は本当に欲しかった。
本当に大切だと思った。
だからこそ、苦労して手に入れた物には強い思い入れがあった。
しかし、以前の私なら考えもしなかったことが起こった。
時間が経つにつれて、自分の中で価値観が変化していった。
好きだった気持ちが嘘になったわけではない。
作品への思いが消えたわけでもない。
ただ、関連商品を大量に所有することが、自分の好きな気持ちを支えるものではないと気付いたのである。
過去の私は、好きなら持つべきだと思っていた。
持ち続けることが、その作品への気持ちの証明になると思っていた。
しかし今は違う。
好きな気持ちは、物の数で測るものではない。
たくさん所有しているから愛情が深いわけではない。
一つでも、自分にとって本当に意味のある物があれば十分なのだ。
だから現在、私は以前なら迷わず残していたであろう物についても、冷静に向き合うことができる。
残したいものは残す。
しかし、役目を終えたものは手放す。
それは過去の自分を否定することではない。
その時、本気で好きだった自分も確かに存在していた。
大切なのは、過去の気持ちを守るために現在の自分を縛らないことだ。
私は以前、物を所有することで好きな気持ちを証明しようとしていた。
今は、好きな気持ちがあるからこそ、必要以上に所有しない。
この変化こそが、私にとって大きな意味を持っている。
どれほど欲しかった物でも、どれほど苦労して手に入れた物でも、未来の自分にとって同じ価値を持つとは限らない。
だからこそ、今の自分が本当に大切だと思えるものを選ぶ。
それが、現在の私の物との向き合い方である。
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