第9話 永遠だと思っていたものが変わった日

私は、ずっと信じていたことがあった。

本当に好きになったものは、一生変わらない。

大切に思う気持ちは、年月が経っても続いていく。

だからこそ、好きなものは集める価値がある。

手元に残しておくことには意味がある。

長い間、私はそう考えていた。

実際、過去には人生を共にするほど大切だと思った存在もあった。

関連商品を探し、苦労して手に入れた。

簡単には手に入らない物を探し続けた。

偶然見つけた時の喜び。

手元に届いた時の達成感。

それらは今でも大切な思い出である。

しかし、ある日突然、予想もしなかった変化が訪れた。

自分でも信じられないほど、気持ちが変化したのである。

昨日まで大切だったものが、急に必要ではなく感じられる。

長年追い求めていたものへの執着が、いつの間にか薄れている。

その時、私は初めて気付いた。

人の心は、自分自身ですら完全には予測できない。

どれほど強いと思っていた気持ちでも、未来まで保証することはできない。

これは決して、その存在が嫌いになったということではない。

過去の好きだった気持ちが嘘だったわけでもない。

その時、その瞬間に本当に好きだった。

その事実は変わらない。

しかし、好きという感情を維持するために、物を持ち続ける必要があるのだろうか。

そこに疑問を持つようになった。

大量の関連商品を所有すること。

数を揃えること。

手放さないことで気持ちを証明すること。

それらは本当に、自分の好きという気持ちと同じものなのだろうか。

考え続けた末に、私は一つの答えに辿り着いた。

好きな気持ちは、所有物の量では証明できない。

一つでも心から大切だと思えるものがあれば、それで十分なのだ。

むしろ、本当に好きだからこそ、数ではなく意味を見るべきなのだ。

この経験は、私の物に対する考え方を大きく変えた。

以前の私は、

「好きだから持つ。」

だった。

しかし、今は違う。

「好きだからこそ、本当に必要なものだけを残す。」

そう考えるようになった。

そして、この出来事こそが、後に「空所者」という考え方へ向かう大きな転機となった。

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